お医者さんの御用達 ~第184回「ナツメ/棗」

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ナツメで妊娠中の貧血を防止

――この頃つい甘いものに手が伸びがちで…。

先生 では、豊富な糖分でエネルギー補給ができる棗(ナツメ)を紹介しましょう。美容にもよく、かつて宮廷の皇后が美顔のために1日3粒食べていた、という記載も残っています。

――どんな成分が含まれているんですか?

先生 まず、食物繊維です。棗には噛んでも口の中に残る、しっかりとした皮がありますよね。あの皮が腸を刺激して、お通じをよくしてくれるんです。また、鉄分が豊富なので、妊婦さんにもオススメです。妊娠中の女性の身体は、細胞レベルで大きな変化が起こります。赤ちゃんに酸素や栄養を届けるために総血液量が増えますが、血漿の増加が顕著なのに対し、赤血球はそれほど増えません。赤血球の主成分はヘモグロビンと鉄分で、それらが不足すると身体の隅々まで酸素が行き渡らなくなったり、貧血を起こしやすくなったりするんです。ですから妊婦さんには特に、積極的に摂取してもらいたいですね。

――そのまま食べるだけで、いいのでしょうか。

先生 ハスの実(蓮子)や白キクラゲ(白木耳)とお粥にしたり、鶏と一緒に煮込むなど、調理法によって効果は様々。詳しくは私や、中医学に詳しい医師に相談してください。ただ棗には糖分も豊富に含まれていますから、糖尿病が心配な方は1日1~2粒にしてください。

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取材協力/オアシス国際病院

 

~北京・天津ジャピオン2014年7月28日号

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