水滸巡礼~108の足跡~黄信(こうしん)

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霹靂火・秦明への忠義
猛将の頼もしき片腕

黄信は山東省の青州軍指揮官。上司に当たる同軍総指揮官・秦明から武術の手ほどきを受け、山賊の一掃を任務としていた。同地にある清風山、二龍山、桃花山の山賊を一網打尽にし、鎮めることができると豪語していたことから「鎮三山(ちんさんざん)」と呼ばれた。

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黄信はある時、青州知事の命を受け、精鋭を率いて軍事基地のある青州鎮に向かう。この地の副長官・花栄(かえい)が清風山の山賊と手を結んだためだった。黄信が着いた頃、青州鎮では宋江が山賊の一味として捕らえられていたが、彼を知らない黄信は彼をそのまま放置し、花栄捕獲に出かけた。その後、2人を青州城まで護送する途中、黄信ら一行は、宋江に縁と思惑を感じ、彼を救出にやって来た山賊の襲撃に遭う。4、500人の山賊が相手となると、さすがの黄信も太刀打ちできず、2人を置いて清風鎮に引き返すことに。それから数日後、黄信のもとに、何と秦明から入山の誘いが舞い込む。秦明はこの時、青州軍から不当な扱いを受け、寝返って宋江一味に加わっていたのだ。敬慕する秦明の決断とあり、黄信は彼に従う形で入山した。

入山後は林冲の副官となり、数々の武功を立てる。方臘の戦い・常州戦では敵将と互角の戦いを演じ、軍の勝利に貢献。物語では秦明や林冲など、猛将たちの片腕となって、敵陣を駆け抜けた黄信が描かれている。

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黄信が死闘を繰り広げた江蘇省常州市。北に長江、南に太湖を臨むこの地は3000年以上の歴史を有する。歴史遺産のほか近代的なテーマパークも擁し、多くの観光客で賑わう。黄信がかつて混乱を鎮めたこの地を巡ってみたい。

 

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~北京ジャピオン2014年3月3日号

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