水滸巡礼~108の足跡~安道全(あんどうぜん)

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神の腕前をもつ名医  
殺人者となって入山

安道全はもと建康府の医師。
代々医者の家系で、内科と外科のどちらにも精通していた。
女好きな一面はあったが、彼に治せぬ病は
この世にないと言われるほどの腕前だったことから、
「神医(しんい)」と呼ばれた。

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ある日、安道全のもとに梁山泊の将、張順が訪ねてくる。
彼が来たのはほかでもない。
宋江が戦の最中、原因不明の病に倒れたため、
名医・安道全を山塞に連れて帰り、
宋江の病を治してもらおうと思ったのだった。
張順は以前、母親の病を彼に治療してもらったことがあり、
彼に全幅の信頼を寄せていた。
安道全は、あの宋江が病と聞いて、梁山泊へ向かうことを決意。
しかし、傍にいた妓女・李巧奴(りこうど)が彼を引きとめ、
安道全も彼女から離れたくないばかりに行くのをためらった。
そして、張順は夜中に李巧奴を襲い、彼女の母親も殺して、
壁に「殺したのは安道全」とまで書いた。
殺人犯に仕立て上げられた安道全は、
梁山泊に行くほかなく、宋江のもとに向かった。
安道全は見事宋江の病を治し、その功績が認められ、入山。
その後は林冲や王英などが戦で傷を負ったり、
宋江が再び病に倒れたりした時も、治癒に当たるなど、
山塞随一の医師として欠かせない存在となった。

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安道全の故郷、四川省雅安市。
雅安貢魚と呼ばれる魚が名物で、降雨量が多く、
さらに美人を多く輩出する地域と言われ、「雅雨、雅魚、雅女」は
「雅安三絶(雅安3つの欠かせないもの)」とされている。
その雅安に、2013年4月20日大地震が襲った。
神医・安道全を産んだ美しい雅安の復興を願うばかりだ。

 

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~北京ジャピオン2013年9月23日号

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