万能野菜・ダイコンを食卓に
――先生、今日は冬に食べるべき野菜、ダイコンのお話だそうですね。
先生 はい。「大根どき(ダイコンの収穫時期)の医者いらず」という格言があるほど、ダイコンは優れた食材です。寒ければ寒いほど甘くなるので、冬は特に美味しく食べることができます。消化を促して血行を良くし、イライラを解消する作用もあるんですよ。ダイコンの種は「萊菔子(らいふくし)」という漢方生薬で、主に痰の出る咳やのどの痛み、消化不良などに用いられます。
――すごいですね。やはり生で食べた方がいいんでしょうか?
先生 生のダイコンには辛味がありますが、辛味成分であるイソチオシアネートには、ウイルスなどの殺菌作用や抗酸化作用があります。また、ビタミンCを摂りたい場合も生で食べることをオススメします。ダイコンおろしを食卓の一品に加えておくといいですね。一方、火を通した場合は、食物繊維や抗酸化作用がアップします。整腸作用により、腸内環境を整えてくれますよ。
――なるほど。ウイルス撃退に効果があるなんて、知りませんでした。生でよし、煮てよしですね!
先生 ただしダイコンにはデトックス効果があるため、せっかく補ったものを排出してしまいます。高麗人参や漢方薬を飲んでいる方は、食べ過ぎないよう注意してくださいね。
===今週のドクター===
北京東文中医診所
中医全科
秋山陽子 中医師
北京中医薬大学卒業、医学修士。冷え症、自律神経失調症、婦人科疾患、肩こり、睡眠障害、虚弱体質、アレルギーなどの症状に鍼灸と煎じ薬を併用した治療を行っている。
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~北京天津ジャピオン2024年1月1日号~