民族訪ねて三千里 ~第42回プミ族(普米族)

 

遊牧民から山の民族
13歳で迎える成人式


プミ族は、主に雲南省の怒江リス族自治州蘭坪ペー族プミ族自治県に暮らす。
山地に住み、農耕を主体とした生活を送っている。
伝説によると、かつては元軍と共に、騎馬民族・筅族の末裔として四川、青海省周辺で遊牧生活をしていた。
その後、何千年の時をかけて山を越え谷を越えして南下し、雲南省に移住してきた。
そしてこの地で、生活を送るようになったという。

1. プミ族の女性。青か白のプリーツスカートを穿き、鮮やかな腰帯を巻く 
2. プミ族の家屋。熱帯雨林気候に属するため、木で作った風通しの良い高床式が特徴 
3. 彼らの民族舞踊「打鍋庄」。歌いながら輪になって踊る

 

そんなプミ族は、旧暦7月に行われ、山の神を奉る「転山節」や、皆で「蘇里瑪酒(スリマ酒)」という小麦のお酒を作って、豊作を祝う「蘇里瑪節」など、年間で10以上の大きな祭りを開く。
中でも代表的なのが彼らの成人式である「大年節」。
「大年節」は、男女共に13歳で行うが、男女によって方式が異なる。
男子は家屋にて、神が宿ると言われる「擎天柱」まで歩き、穀物の入った袋と豚肉を両足別々に踏む。
式の主催者である母方のおじが男子の右手にナイフ、左手に硬貨を持たせ、長ズボンを穿かせる。
一方、女子の式は母親が執り行う。
同じく「擎天柱」まで歩かせた後、両足で穀物の入った袋、豚肉を踏ませ、右手にイヤリング、左手に麻布など日常生活の品を持たせ、最後に長いスカートを穿かせる。
そして、神や親族に酒を捧げたら儀式は完了。
成人年齢が13歳であるのは、かつて彼らが元軍と南下していた時、プミ族の13歳の若者2人が勇敢に戦ったのを、元の初代皇帝フビライ・ハンが称賛したことに由来する。
この神聖な成人式を目の当たりにすると、居住地を求めて続けられた、辛い旅が浮き上がってくる。

 

~北京ジャピオン2012年8月27日号

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