愛され続ける老舗

小さな扉を開けるとそこは、炭火焼き鳥の香りが立ち込め、多国籍な言葉と笑い声が響く、活気に満ちた空間だった。

「鳥亭」が新源里に店を構えて、早10年。カウンター越しに見える焼き場、使い込まれたテーブルなど、飾り気はなくとも温かみに溢れた雰囲気は、開店当時から変わらない。人気に後押しされ、今では好運街に２号店も構えた。そして、日本人客がほとんどだった新源里店は、欧米人や中国人が、日本酒を片手に居酒屋文化を楽しむ様子が日常となり、北京を代表する焼き鳥店に成長した。

１日１０００本！

効率や採算を重視して、作り置きのものを出す店もある中、同店は毎朝、オーナーの鄭さん自ら市場へ行き、その日使用する分だけの鶏肉を買い付ける。それを店でさばいて、１本１本丁寧に串に刺す。この気の遠くなるような仕込みがあるからこそ、どこよりも鮮度の高い、ふっくらジューシーな焼き鳥が味わえるのだ。ちなみにこれまでで、「１日１０００本くらい売れた日もある！」というから驚きだ。
そんな伝説的な記録を持つ同店だが、新源里店は２月末で閉店となる。そして、早ければ春にも再び「鳥亭」の名前で移転オープンする。10年もの間、変わらない雰囲気と味を届けてくれた「鳥亭」と、名物オーナーの鄭さんの笑顔に会いに行こう。

 

info
住所：北京市朝陽区新源西里中街8号
TEL：010-6461-4513
営業時間：17時半～翌1時
席数：65席（個室1部屋）
予算：150元～

 

～北京・天津ジャピオン2015年2月16日号