お医者さんの御用達~第641回

下痢や食あたりに藿香正気丸

 

――先生、私は胃腸が弱く、すぐにお腹を壊してしまうのですが、何かいい薬はありますか?

先生 ちょうどいい薬がありますよ。「藿香正気丸」といって、日本の「正露丸」のように歴史があり、一般的に広く愛用されている漢方薬配合の市販薬です。下痢、食あたり、水あたり、嘔吐、風邪の初期症状などに効果があり、四季を問わず、子どもでも安心して服用できます。

 

――ほぉ~、中国の正露丸なんですね。漢方系の薬だと聞くと安心します。

先生 はい。昔は口服液しかありませんでしたが、今はカプセルに入った錠剤もあります。カプセルは柔らかく、飲みやすいのも特徴です。口服液の方が吸収は早いですが、若干アルコールが入っていますので注意が必要です。なお、漢方薬の「藿香(かっこう)」には解暑、健胃、食欲不振や消化不良を改善する作用があります。このほかシソやビャクシ、陳皮、茯苓(ブクリョウ)など10種類以上の漢方成分が含まれています。

 

――なるほど。口服液と錠剤、両方常備しておくといいかもしれませんね。

先生 はい。出張や旅行の際にも持って行くことをオススメします。ただし、下痢や食あたりなどで一番怖いのは脱水症状です。軽症であれば自宅静養でも構いませんが、薬を飲んでも治らない場合は、早めに病院で診察を受けるようにしましょう。

 

===今週のドクター===

IMC北京国際医療センター

中医整形外科、中医鍼灸、家庭全科

張慶慶中医師

北京中医薬大学卒。北京中日友好病院勤務を経て、日本で14年間、中医整形や漢方関連の指導を行う。帰国後は外資系医療機関に勤務。日本語堪能。

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~北京天津ジャピオン2023年10月23日号~

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