お医者さんの御用達 ~第128回「酸梅湯」

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渇きを潤す漢方ジュース

――先生、この飲み物は何でしょう?

先生 北京人が夏になるとこぞって飲む「酸梅湯」という、漢方薬を煮出したジュースです。
元々は清朝の皇族が好んで飲んでいたもので、だんだんと市民の間に広まっていったんです。
甘酸っぱくて飲みやすいですよ。

――あ、本当だ! 漢方の香りがほのかにしますが、おいしいですね~。

先生 でしょう?
主原料の「烏梅」は梅を煙でいぶした漢方薬で、〝津液〟と呼ばれる唾液などの分泌液の生成を促し、体内の渇きを癒す効果があります。
市販のジュースなどは糖分がたくさん含まれているため、飲めば飲むほど喉が渇いてしまうんです。
また、脾臓と胃が弱い人の場合、水であっても水分の消化吸収がスムーズに行われず、渇きが癒されないことがあります。
「酸梅湯」は独特の酸味が分泌腺を刺激してくれるので、1杯で口の中から身体の渇きまで潤してくれるんですよ。

――へぇ~。烏梅の他にも数種類の漢方が入っているようですが…。

先生 はい。
脾臓や胃の機能を高める「サンザシ」や、解毒作用のある「甘草」などが配合されています。
これらの原料をまず12時間以上、水で浸し、その後6時間以上煮込んでいるんですよ。
運動の後や喉が渇いたときに飲んでくださいね。
お子さんでも安心して飲めますが、糖尿病の方と妊婦の方は、飲まないようにしてください。

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取材協力先/北京御源堂中医診所

 

~北京ジャピオン2013年6月3日号

 

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