水滸巡礼~108の足跡~顧大嫂(こだいそう)

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夫も敵わない居酒屋女将
従兄弟を牢屋から救出

顧大嫂はかつて登州(現山東省煙台市蓬莱市)で、夫の孫新(そんしん)が経営する居酒屋の女将であった。牛の屠殺や賭場を営んでおり、腕っ節が大層強かった。30人の者がかかっても敵わず、牝虎を意味する「母大虫(ぼたいちゅう)」のあだ名で通っていた。

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ある日顧大嫂は、従兄弟たちが無実の罪で投獄されたことを知ると、すぐに彼ら兄弟を救出すべく、牢破りの準備をする。そして孫新の兄・孫立(そんりつ)を仮病で呼び出すと、協力を仰いだ。武官として親族の救出と任務のどちらを取るか迷っていた孫立に対し、彼女は「承知してくれなければ今お前と戦う」と啖呵を切って見せる。孫立は彼女の強引な押しに負け、協力を決意した。

決行の当日、顧大嫂たちは武器を隠し持ち、城内に入った。彼女は機を窺い、自慢の武器「雌雄虎頭刀」で次々と牢役人を刺していった。従兄弟を救い出すと、彼らを罪人に仕立て上げた毛太公という男の屋敷を襲い、家族を皆殺しに。城内が大騒ぎになっている中、顧大嫂らは逃亡。そして行き着いた先で、梁山泊一行に出会い、彼らと行動を共にすることになる。

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入山後は早速、杭州戦に参戦。夫とともに船頭とその女房に扮して城内に忍び込み、火を放つなど、彼女の巧みな侵入術と豪胆さは、終始梁山泊を支える戦力となった。

顧大嫂の故郷、山東省煙台市蓬莱市。かつて8人の仙人がここから海を渡ったという伝説があり、その雄大な景観から〝この世の仙境〟と呼ばれている。その仙人たちにも劣らない類稀な力を持った顧大嫂の生まれた地を歩いてみたい。

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~北京ジャピオン2014年01月06日号

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