ツボを刺激し病を未然に防ぐ
――先生、今回は「経絡(けいらく)叩き」を紹介していただけるそうですが、そもそも「経絡」とは何ですか?
先生 はい。経絡とは気と血が巡る通路のことです。皮膚や筋肉、臓腑などをつないで全身にはりめぐらされています。身体の不調はこの経絡を通じてツボに伝わります。そこで、針やお灸を使ってツボを刺激すると、それが経絡に伝わって、気や血の流れがよくなります。
――なるほど。では、この「経絡叩き」を使ってツボを刺激するんですね。
先生 そうです。ツボを刺激することで、血や気がスムーズに流れると、臓腑の機能が活性化して、人が本来持っている自己治癒力によって回復する。というのが中医の基本的な考え方になります。例えば、首と背中の境目に「大椎(だいつい)」というツボがあります。手足の陽の経絡は、全てここで交わるため「陽の気が最も強いツボ」と言われています。また、「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎを刺激することで血液の循環を促し、腰痛改善にも繋がります。
――手軽にできるのがいいですね。これなら毎日、続けられそうです!
先生 はい。ただし叩き過ぎは禁物です。顔や首の前など皮膚の薄い箇所を避け、一か所につき45~50回程度を目安にしてください。
―――今週のドクター―――
北京東文中医診所
秋山陽子中医師
2019年北京中医薬大学にて修士課程修了。在学時に鍼灸学と婦人学を修得。
同院で中医師として勤務する傍ら、健康に関する講座を開講するなど、幅広く活躍。
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~北京天津ジャピオン2022年10月24日号~